嫁が娘を連れてショッピングモールに出かけていた時のこと。
最近かなりワガママの酷くなってきた娘は昼食で立ち寄った店内でも大声で喚いたり椅子の上に立ち上がったりと猛威を振るい、それを宥める嫁の心は疲労困憊だったという。
更に真冬だと言うのに水遊びのブースではプールに突っ込みかけ、三輪バギー専用スペースに駆け込んでは係員に制止され、平謝りの嫁は精神的に崩壊寸前。
そして飲食店の立ち並ぶ緩いカーブの廊下で娘が「だっこ!!」と言い始め、大きめの荷物も抱えていた嫁が「むり!今できない」と突っぱねるとそれはもう漫画かと言うくらい往来に仰向けに寝そべり駄々を捏ね始めた。
そんな時、通行人の1人(かなり体格の良い金髪の男性)が大きな声で「おーおー可哀想に!!!母ちゃん抱っこしてやれよ!!!」と言い放った。
※嫁画
その連れの女性は聞こえるくらいの声で「ちょっとヤメな、ほたっとき(放っておきな)よー」と口にして、そのやり取りは大層嫁の心に深い爪痕を残したようだ。
嫁曰く「あれくらいの体格だったら苦にもならないだろうけど女性で体重16㌔の子供を抱えるのは本当に厳しい」
うむ、正論である。
実際自分でもずっと抱っこは辛い。
結局、子育ての大変さを理解していない外野の意見であり更に男性からは女性目線など想像もできないのであろう。
しかしそんな気にするだけ無駄な意見でも疲労困憊でメンタルが豆腐並みになっている時には深く突き刺さったのだ。
自分に出来る事は、そんな妻の意見を「うんうんそうだね」と宥めながら晩酌のアテを用意しすることくらいなのである。