つい先日、実家の老猫♀が生死の境を彷徨ったと父からメールが届いた。
名前はタマ
なんでもキッチンの床のマットの上で仰向けに倒れていて手足が痙攣していたそうだ。
しかし数分後にむくりと起き上がって猛然とご飯(キャットフード)を食べ始めたという。
ノラ猫として我が家に迷い込んで来たのが15年ほど前。
遠慮深い性格でエサをあげてもなかなか家の中まで入って来ようとせず慣れてくれるまでかなり時間がかかったのを憶えている。
実はうちで飼うネコはこのタマで3匹目で、1匹目も同じ迷い猫だった。
同じ♀のネコで柄はタマと似たハチワレだったがなかなかの気難し屋で頭を撫でようとしてよく引っ掻かれたりしていた。
その初代はとくに名付けたりもしなかったのだが何年か飼っているうちになんとベッドの毛布の中で子供を産んだことで家族みんなで名前をオヤ(親)と呼ぶようになった。
その時生まれた子猫をその後一匹だけ飼うことにしたのが我が家の2匹目のネコになる。
灰色の虎柄で耳が大きく鳴き声が可愛かつたので名前をチビと名付けた。
このチビはすくすくと成長し身体がかなり大きくなって顔つきも精悍になり、そのうちとてもチビと言う風貌ではなくなってきた。
しかし身体は大きくなっても性格は甘えん坊で声は相変わらず可愛い声ままだった。
よく周囲のノラ猫と喧嘩をしていたが大きな身体の割にはあまり強い方ではなかったらしく頻繁に顔に大きな傷を負って帰ってきた。
一度などその傷が化膿して体調を崩したこともあり近くの動物病院に連れて行った事もある。
そしてそのチビも老衰で亡くなり家族みんなが寂しいなと思ってたところに一月も経たないタイミングでタマが転がり込んできたのだ。
最初は猫がそんなに好きではなかった父母は今では猫写真家の写真展を見に行ったりするほどすっかり猫好きになってしまった。
回想が長くなったがタマが先日、死線を彷徨った病名は腎不全だったようだ。
年齢は推定18歳。
人間に換算すると88歳超えらしい。
まだ元気にしているようだが病気のことも考えるとそう長くはないのかもしれない。
そしてきっとまた次の猫がやってくるに違いない。