結婚する直前の自分はもう別にいつ死んでもいいかなと考えていた。
もちろん何かをやり遂げたからではないし、だからと言って当たり前だが死にたい訳でもない。
ただ、自分の為だけに全ての時間が使える環境が15年余り続くと色んなことが煮詰まってきて「もういいかな」と思うようになっていた。
社会人になってから30代までゲームやパソコンにのめり込み、一刻も早く家に帰りたくて車を走らせた。
しかし35歳を過ぎた頃それほど没頭出来る趣味もなくなり
コレのために生きている!
と言えるものが何も無くなっていることに気づいた。
若い頃の惰性で昔の趣味の延長ばかりになっていた自分は、このままではダメだとロードバイクを始めてみたりもした。
ロードバイクは楽しかったが調子に乗り過ぎたせいか一年も乗らないうちに事故を起こして封印。
やっと見つけた楽しみも失った自分はその後、再び悶々とした生活を送っていたところを嫁と出会って結婚。
今は毎日少しでも早く、そして長く妻と子供の顔を見ていたい。
その為に車を走らせ家に帰る。
そして夫婦仲良く末永く生きていきたい。