つづき
そうして告白できないまま当て所なく夜の別府の街を車で流し、どこか代わりになるムードのある場所はないか探してみたが即席でそんな場所思いつくはずもなく…
バイト終わりの大学生をあまり長い時間連れ回すのも良くないと思った自分は、なし崩し的に彼女の家の駐車場へ戻ることになる。
「なんか寒かったけどすごい楽しかった♪」
と言う彼女と思い出し笑いしながらいつも通り解散…になる空気だった。しかし自分の中で
「今日告白できなかったらこの先多分、告白できることはない」
と根拠不明の、しかし確信めいた考えが浮かんでしまった。
そしてここ最近の自分に言い聞かせてきた習慣「行動すると決めたら余計な事は考えない」の言葉通り今しかないと思った。
意を決して絞りだした割には情けない口調で自分が言った言葉は
「良かったら(自分と)付き合ってくれない?」
だった。それに対して彼女の言葉は即答だった。もう少し迷うと思っていたら間髪入れずに彼女はこう答えた。
「え、どこにですか?」
……
…………
……………………
いや、そうじゃなくて
「いや、そうじゃなくて」言いかける自分にさすがの彼女も空気で気づいたのか
「あ!!ごめんなさい!!!」
笑うに笑えずやらかした感を隠せない彼女。苦笑いながらも答えを待つ自分。
途端に空気が重くなり少しの間沈黙が続く。
「えーっと、すぐには答えられないので2〜3日後にこっちから連絡していいですか?必ず連絡するので」との彼女の言葉に自分は快諾してその場は解散。
しかし、その直後の帰り道で車を路肩に寄せて駐車させたまま彼女の答えを反芻してみるとどう考えてもこれは断られるパターンである事に気付いてしまった。
OKならそれこそ即答ではないか?
その場で断れないから時間を置いたのではないか?
…いっそ告白しなければまだ暫くはこの楽しい時間を続けることが出来たかも知れないのに…
後悔ばかりが浮かんできて今度ばかりは"考えない鉄則"は全く役に立たなかった。
職場で自分に色々とアドバイスをくれた同僚にLINEで今の状況を伝え「だめやったわー」と一言告げた。
その返信内容は覚えていない。確認しようと思えば今でもできるが意味がないのでしない(笑)
その後は…彼女からの返事があるまでは告白以前より数十倍悶々とした気分で過ごすことになった。
つづく